再生医療の分野で使われる「iPS細胞」「幹細胞」そして「間葉系幹細胞培養上清」という言葉。
「間葉系幹細胞培養上清」(正確には間葉系幹細胞培養上清β-H)は、ITECインターナショナルのマトリックスエキスや、その他スキンケア・ヘアケアシリーズに配合されています。
これらはどう違うのか、それぞれの特徴を挙げてみます。
参照:上田実(2019)『驚異の再生医療〜培養上清とは何か〜』扶桑社
iPS細胞
・分化できる細胞に制約がなく、どんな細胞にも分化できる
・人工的に多能性幹細胞をつくり出すことができる
・皮膚などの成熟細胞を初期化してiPS細胞をつくり出すことができる
上田実(2019)『驚異の再生医療〜培養上清とは何か〜』扶桑社 p.110より引用
・iPS細胞から分化した細胞には、がん化の可能性がある
・生殖医療への応用には倫理的な問題がある
・安全面の課題が残っており、私たちがiPS細胞を使った治療を受けられるようになるには、まだまだ時間がかかる
幹細胞
・自分と同じ能力をもつ幹細胞に分裂することができる(自己複製能力)
・体をつくる様々な細胞をつくり出すことができる(分化能力)
・加齢とともに減少する(=老化)←それを「補充する」というロジックで再生医療の研究が進められた
・幹細胞を治療に使うには届け出が必要
・培養した幹細胞を移植する再生医療には、がん化や血栓(血のかたまり)形成のリスクがある上に、かかる時間と費用をみたときの有効性に疑問を抱く医師が多い
間葉系幹細胞培養上清
・骨や神経、血管などの細胞に分化するはたらきをもつ間葉系幹細胞を培養したときにできる培養液の上澄み
・がん化の危険性ゼロ(動物実験にて実証済み)
・凍結保存して有効性を長く保てたり、凍結乾燥して粉末にしたりできるので使いやすい
・使う側も点鼻・吸引・塗布などの方法で使いやすい
・一刻を争うような重篤な症状にも対応できる
・費用対効果が高い(幹細胞移植と同じ効果が得られるにもかかわらず、治療費は幹細胞移植の約100分の1)
上記のように、iPS細胞は人工的につくられた細胞で、幹細胞はもともと私たちの体の中にあるものです。
そして間葉系幹細胞培養上清は、私たち人間の細胞を培養した後にできる液体で、多くの生理活性物質が含まれています。
その生理活性物質が幹細胞を活性化させる機能をもっているのです。
再生医療や培養上清についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの本がおすすめです。
上田実(2019)『驚異の再生医療〜培養上清とは何か〜』扶桑社
iPS細胞や培養上清の研究症例が載っていたり、かつて話題になったSTAP細胞事件の裏事情が書かれていたりと、面白いです。
とてもわかりやすく書かれているので、医学の知識がなくても読みやすいと思います。